CCGMG
ビジネスを取り巻く環境が目まぐるしく変化し、国内外において競争が激化する昨今、業務プロセスの可視化、自動化、最適化を通じてビジネスプロセスを効率的に管理することができるBPMツールの重要性が増しています。
BPMツールを導入することで、業務効率化や生産性向上、コスト削減、業務品質の向上、意思決定の迅速化など、さまざまなメリットが期待できます。
本コラムでは、BPMツールの概要や導入すると実現できること、導入時のポイント、おすすめ11選などをご紹介いたします。
BPMツール導入前に必ず確認!失敗しないためのチェックリストはこちら!BPMツールとは、ビジネスプロセスを管理するためのソフトウェアのことです。
そもそもBPMとは、Business Process Managementの頭文字を取ったもので、「ビジネスプロセス管理」と訳され、発注・納品や顧客対応といった各業務において、業務プロセスを管理し、最適化することをいいます。
業務プロセスは組織ごとに特有のものであり、ノウハウの詰まった財産ともいえます。BPMツールを活用してブラッシュアップしていくことで、競争力の強化につながります。
BPMツールは、業務プロセスの自動化や改善・最適化をサポートしてくれます。
【関連記事】
BPMツールとは?メリットや機能、選び方について解説
BPMツールで実現できることは主に、「タスクの抜け漏れ防止・スケジュール管理」「属人化の解消」「業務プロセスの自動化」「業務の質の安定」の4点です。
BPMツールを活用すると、業務やタスクを可視化したり、タスクの期限を設定したりできるようになります。さらに、タスクの担当者を割り当てることも可能です。
このため、誰がどのタスクを担当していて、どのタスクが完了しているのか、進捗状況が把握できるようになります。
また、期限が過ぎても完了していないタスクがあると、アラートで知らせてくれたりします。その結果、タスクの抜け漏れを防止し、スケジュール通りにタスクを完了することができます。
BPMツールを活用すれば、タスクを標準化したり自動化したりすることが可能です。このため、特定の従業員しかその業務を遂行できないという属人化の状態を解消することができます。
その結果、属人化を解消するとともに、業務の効率化にもつながります。
前項とも重複しますが、BPMツールを使って業務やタスクを自動化することができます。
まず、既存の業務の中から自動化できそうなタスクを洗い出します。たとえば、メールやファイルの転送、データ入力のようなタスクが該当するでしょう。これを、BPMツールの自動化機能で自動化します。
さらに、タスクの実行状況を監視することもできるため、タスクが正常に実行されているかどうかをBPMツール上で確認できます。
上記をまとめると、BPMツールを活用することで、属人化を解消して業務を標準化できたり、期日内にタスクを完了させられたりするようになるため、業務の質の安定と向上につながります。
BPMツールを導入する主なメリットは、次の3点です。
BPMツールを導入・活用することで、全社的な業務の流れが可視化されます。
その結果、不要な作業や無駄な業務、業務の重複といった、非効率的な部分があぶり出されます。
これを改善することで、より効率的で効果的な業務プロセスを実現できます。
業務プロセスを可視化し、課題を特定して改善することで、各業務におけるベストプラクティスを構築できます。
そして、すべての従業員がベストプラクティスを遵守して業務に取り組むことで、業務を標準化することができます。
業務を標準化できれば、誰もが一定レベルの業務を遂行できるようになり、業務や成果物の品質向上が期待できます。
BPMツールを導入・活用すれば、業務の進捗状況をリアルタイムに共有できるようになります。
その結果、進捗の遅れやミスにいち早く気づき、素早く解消することができるようになります。
進捗の遅れやミスが起きやすいプロセスは、改善を検討する必要があるでしょう。
BPMツールを導入する際には、以下のような条件を満たすものを選ぶことで、導入を成功させることができるでしょう。
BPMツールを導入する際は、既存のシステムとデータ連携ができるものを選びましょう。
導入したシステム同士でデータを連携できれば、既存データの移行もしやすく、社内のデータを一元管理できます。
すると、同じデータを何度も入力することによる非効率やヒューマンエラーの防止、重複データの解消などを実現できます。
その結果、データの正確性が向上し、業務全体の流れやパフォーマンスをより正確に把握できるようになります。
BPMツールを導入後、時間の経過とともに業務が変化する可能性があります。その際、変化した業務フローに合わせて、BPMツール側でも変更を行う必要があります。このため、業務プロセスを柔軟に変更できるものを選ぶ必要があります。
たとえば、機能の追加・削除などが必要になった際に、ノーコード・ローコードツールなら、アイコンなどで示された機能をドラッグアンドドロップで簡単に追加・削除が可能です。
ベンダーに依頼しなければ上記のようなシステム変更が行えないものではなく、自社で対応可能なノーコード・ローコードツールだとスピーディに対応できます。
システム変更までは必要なくても、現場で業務フローの変更などが行えると、利便性が高まります。
BPMツールの設定変更などを行う編集・管理画面は、情報システム部門のようなシステムに詳しい人だけでなく、各現場部門の管理職など、比較的ITリテラシーが低い従業員でも簡単に扱えるものを選ぶことが大切です。
BPMツールの選定で盲点になりやすいのが、現場の業務担当者の負担だけでなく、業務管理者の負担も軽減してくれるかどうかという点です。
プロセス全体を管理する業務が非効率的である場合など、BPMツールによっては導入することで逆に業務管理者のタスクが増えてしまうこともあります。すると、指示が出せず、結局自分で作業してしまうといった事態も起きかねません。
業務管理者の負担軽減を踏まえて設計されたBPMツールを選びましょう。
BPMツールの選定ポイントはいくつもありますが、最低限満たさなければならない条件は費用が予算内に収まることです。
SaaSタイプなど、中には初期費用が不要のものもあるため、導入形態にもよりますが、一般的に、BPMツールには初期費用と運用費用の2つのコストがかかります。
また、料金形態もユーザー数によって増減するもの、定額のものとさまざまです。
自社の都合に合ったコスト、料金体系のBPMツールを選ぶことが大切です。
BPMツールを導入する際には、十分な準備を整え、導入後も継続的に取り組むことが重要です。
まずは、BPMツールを導入する前に、自社の業務の現状を把握しておく必要があります。
すべての業務においてプロセスを洗い出して全体像を把握し、課題がないかどうかを分析します。BPMツールの導入前に改善できる部分があれば、改善を行った上でBPMツールの選定へと進みましょう。
どのユーザー企業も、BPMツールの導入前後では業務改善を実施することになりますが、導入後は登録したプロセスを見直すことなくそのまま長期間にわたって使い続けるところと、定期的に見直して改善を続けるところとに分かれていきます。
当然ながら、継続的に業務プロセスを改善している企業の方が業務効率化や生産性向上が期待でき、競争力を強化できます。
また、時間の経過とともに業務プロセスそのものが変化し、これに合わせてBPMツールの使い方も見直す必要が出てきます。
こうした理由から、BPMツールは導入後もPDCAを継続し、業務プロセスを改善していく必要があります。
最後に、おすすめのBPMツールを11点、ピックアップしてご紹介いたします。
「octpath(オクトパス)」は、アプリやWebシステム開発、Webサイト制作などを手がける株式会社テクノデジタルが提供するBPMツールです。
チームメンバーが抱えている業務や工数が可視化され、忙しいメンバー、手が空いているメンバーを素早く見つけられるほか、タスク管理期限の設定、タスクの自動化、作業の承認などが行えます。
情報セキュリティ対策にも力を入れており、通信データの暗号化や多要素認証を採用。ユーザー企業側でもフローごとに編集・閲覧などの権限設定が可能です。データ保護に関しては、ISO27001などの認証を取得するAWS(Amazon Web Services)をプラットフォームとしていることに加え、1日単位でデータのバックアップを取得。
料金は、初期費用に加えて、月額料金が2万円(スタンダードプラン)からとなっています。詳細な費用については、問い合わせが必要です。
すべての機能を試せる15日間の無料トライアルが用意されています。
https://www.assistmicro.co.jp/service/bpdirector
BP Director(ビーピーディレクター)は、数多くの法人向けソフトウェア開発を手がけるアシストマイクロ株式会社が提供するBPMツールです。
BP Directorをプラットフォームとして、ノーコード/ローコードで業務システムを構築できます。構築したシステム上で業務プロセスを管理、可視化し、継続的な改善をサポートしてくれます。
大きな特長となるのが、時間軸を意識した「タイムライン機能」。たとえば、複数部門で同時並行に進める業務があった場合に、Webブラウザ上にタスクを順番に並べて所要時間や依存関係を設定すると、時間軸を持つガントチャートを作成でき、そのまま業務システムとして使用可能です。
利用形態は、クラウドとオンプレミスから選べます。
料金は、要問い合わせ。
https://www.intra-mart.jp/products/im-bpm.html
intra-mart BPMは、NTTグループで本格的なローコード開発プラットフォームの開発を手がける株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマートが提供するBPMツールです。
「現場に合った仕事のやり方を自ら設計・構築することで、業務プロセスのデジタル化、自動化を実現し、ビジネスの継続的な改善と全体最適化を実現する」というコンセプトを持ちます。
特長は3つ。1つ目は、業務プロセスをカスタマイズできるため、企業の成長に合わせながら柔軟に改変することで、継続的なプロセス改善が可能な点。2つ目は、同社が提供するワークフローシステムと組み合わせて、さらなる業務効率化・生産性向上を目指せる点。3つ目は、「BPM実践ワークショップ研修」など多彩なサポートサービスが用意されている点です。
料金は、要問い合わせ。
Questetra BPM Suite(クエステトラ・ビーピーエム・スイート)は、株式会社クエステトラが提供するBPMツールです。
現場の担当者、業務管理者、システム開発者、それぞれの視点から課題解決のための機能・仕様が整備されており、たとえば、業務管理者の「業務の進捗管理や滞留状況の把握、実績集計などに多くの時間がかかってしまう」といった課題に対して、可視化機能やグラフ化機能などがサポートしてくれます。
「Basic」「Advanced」「Professional」の3つのエディッションがあり、料金はそれぞれ、1,200円/月・ユーザー、3,000円/月・ユーザー、4,800円/月・ユーザーとなっています。年次支払に切り替えると、月次支払料金から20%の割引が受けられます。
全てのエディッションに100ユーザーまで登録可能な60日間の無料トライアルが用意されています。
iGrafx(アイグラフィックス)は、エクシオグループ系列で健診システムソリューションなどの開発を手がける株式会社サン・プラニング・システムズが提供するBPMツールです。
導入実績は4,000社(うち、上場企業が800社)・10万ライセンス以上。特に銀行業界に選ばれており、銀行業界でのシェアは48%を誇ります。
銀行業界に選ばれているだけあり、コンプライアンス強化やガバナンス強化に適した機能・仕様が特長の一つ。企業戦略やリスク、内部統制、法令遵守などのモニタリングすべき多様な項目を、業務プロセスに関連付けて整理・管理できます。
また、誰でも簡単に業務フロー型マニュアルの作成が可能な機能が搭載されています。
料金は、要問い合わせ。
https://www.hulft.com/software/bpm
DataSpider BPM(データスパイダー)は、クレディセゾン傘下のシステムインテグレーターである株式会社セゾン情報システムズが提供するBPMツールです。
同社では、BPMについて「仕事をする上で問題が起きていないかを常時モニタリングし、問題の原因を正しく把握し、解決策を講じて、実践すること。さらにITを活用することによって、その実践を確実迅速にすること」と定義。
DataSpider BPMでは、“可視化”に重点を置き、業務プロセスのモデル化から業務の進捗、処理状況、ボトルネックまでを見える化することで、経営者、現場の担当者、それぞれの課題解決につなげます。
ワークフロー定義やモニタリングなどに活用できます。
料金は、要問い合わせ。
無料の評価版をダウンロードでき、60日間、利用可能です。
Ranabase(ラーナベース)は、データ活用領域・ITシステム運用管理領域のパッケージソフトウェア開発を手がける株式会社ユニリタが提供するBPMツールです。同社で手がけてきた業務改善コンサルティングのノウハウが集約されたエントリー向けのフローチャートツールです。
業務フローを描く「モデリング」を軸に、業務を可視化し、可視化した業務プロセスを共有することで、改善を議論する文化を醸成するというコンセプト。文化を作り上げることで、継続的な改善サイクルを目指します。
サポートサービスにも力を入れており、Excelや他社のBPMツールからの乗り換えのサポート、導入時のサポート、オンラインマニュアル、コラム集「カエル塾」、業務フローの添削サービス、無料Web相談会などが用意されています。
個人事業主の利用が想定された「パーソナルプラン」と、一般企業の利用が想定された「ビジネスプラン」の2つのプランがあり、料金は編集者と閲覧者の人数に応じて決まります。
無料トライアルは、「パーソナルプラン」のみ用意されており、30日間試せます。期限が来ると、自動的にスケッチの作成・編集可能枚数が5枚までとなるなどの機能制限がある「フリープラン」へ移行します。
i3Links(アイ・スリー・リンクス)は、ハンディターミナルパッケージサービスやsaasサービスを展開する株式会社学研ロジスティクスのBPMツールです。
「業務の持続性を100%維持する強力なプロセス管理ツール」をコンセプトとし、現場の担当者だけでなく、業務管理者の負担を軽減することを目的としたツールです。
タスク管理のプロセス全体を自動化するといったこともノーコードで実現できるため、プログラミングの知識を持たない現場の担当者が自身で自動化を設定できます。
また、予定管理の概念を具現化しているため、期限管理に関する機能が豊富であることも特長の一つです。タスクに期限を設定しておけば、期日が近づくとリマインドで知らせてくれ、期日が過ぎればアラートを出してくれます。定期的に発生する業務は、あらかじめ周期やタスクなどを設定することで自動的にプロセスが立ち上がり、リマインドまで行ってくれます。
料金は、要問い合わせ。
Kissflow(キスフロー)は、インド発のBPMツールで、ソフトウェア会社であるKissflow Technologies Pvt. Ltd.が提供しています。ユーザー企業が、ローコードで業務システムを構築できるクラウド型のプラットフォームとなっており、プロジェクト管理システムや営業支援システム、顧客管理システム、経理システム、人事管理システムなどさまざまなシステムの開発が可能です。
業務プロセスを可視化し、自動化することができます。
使いやすいインターフェイスや低コスト、豊富なテンプレートといった特長があり、エンタープライズから中小企業まで、世界で約100万社に利用されています。
「Basic」と「Enterprise」の2つのプランが用意されており、Basicプランの料金は、月額1,500 USドル。Enterpriseプランの料金は、カスタマイズなどによって変わるため、問い合わせが必要です。追加料金を支払うことで、24時間365日のサポートが受けられます。 デモ版が用意されており、14日間、無料で試せます。
Pipefy(パイプファイ)は、米国のソフトウェア会社であるPipefy, Inc.が提供するBPMツールで、ローコードでワークフローや業務の自動化システムを構築できるプラットフォームです。
世界215ヵ国以上に1万社以上のユーザーがおり、VisaやIBM、コカ・コーラ社などの大企業が顧客リストに名を連ねています。
ビジネスプロセスの進捗状況をダッシュボードで可視化でき、プロセスの進行状況や重要な指標をリアルタイムで監視できます。これにより、効率的な意思決定が可能になります。
「Starter(無料)」「Business(19USドル/月・ユーザー)」「Enterprise(32USドル/月・ユーザー)」「Unlimited(カスタムのため要問い合わせ)」の4つのプランがあります。
Process Street(プロセス・ストリート)は、米国の企業Process Street Ltd.が提供するBPMツールで、ローコード開発による業務システムの構築が可能なプラットフォームです。
主な機能として、タスクの割り当て、承認、自動化、スケジューラ、グルーピングなどが搭載されています。
プロセス管理にAIが活用されており、プロセスを最適化することで最大限のパフォーマンスと成長を目指します。
「Startup(100USドル/月・ユーザー)」「Pro(415USドル/月・ユーザー)」「Enterprise(1,660USドル/月・ユーザー)」の3つのプランがあり、いずれもクレジットカードの登録不要で14日間無料で試せるトライアルが用意されています。
BPMツールは、業務プロセスを継続的に改善し、自動化したり効率化したりしてくれる機能が搭載されています。
導入して上手く活用し、タスクの抜け漏れ防止や質の向上、属人化の解消などを実現しましょう。
導入の際は、自社の業務の可視化や課題の明確化というステップを踏むことで、課題解決につながる最適なBPMツールを選ぶことができます。
なお、学研ロジスティクスでは、業務管理者の支援ツール「i3Links」を開発・提供しております。
現状の業務フローで、「作業の漏れ、遅延が発生してしまう」「業務の属人化を解消したい」「指示を出しても指示通りに作業をしてくれない」といったお悩みをお持ちの企業様や、BPMツールを導入したもののタスクが逆に増えてしまい、頭を抱えていらっしゃる業務管理者の方に、「i3Links」はおすすめです。
i3Linksについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。
『i3Links』概要資料を
無料でダウンロード
i3Links(アイスリーリンクス)のサービス概要資料を無料でダウンロードいただけます。
i3Linksは管理業務のナレッジを再現することで、作業遅延や作業漏れをなくし、業務の効率化を目指します。